五十肩になりやすい人、実はこんなタイプ！ 症状・原因・予防を徹底解説

「最近肩が痛む…もしかして五十肩？」と不安を抱えている方、必見です！ この記事では、五十肩になりやすい人の特徴を詳しく解説します。40代～50代の方、女性、糖尿病や甲状腺疾患の患者さん、更年期障害の女性、肩を酷使する職業の方、猫背や運動不足の方、ストレスを溜めやすい方など、思い当たる節はありませんか？ 五十肩の症状や原因、予防法、そして五十肩になってしまった場合の対処法まで、これを読めば五十肩の全てが分かります。肩の痛みを我慢せずに、快適な生活を送るためのヒントが満載です。この記事を読んで、五十肩の不安を解消しましょう。

1. 五十肩とは？

五十肩は、中高年の方に多く発症する肩関節の痛みや運動制限を伴う疾患です。正式名称は肩関節周囲炎といい、肩関節周囲の組織の炎症が原因で起こります。肩の痛みだけでなく、腕を上げたり回したりする動作が困難になるなど、日常生活に支障をきたすこともあります。加齢とともに肩関節の柔軟性が低下したり、肩周辺の筋肉や腱が炎症を起こしやすくなることが原因の一つと考えられています。また、糖尿病や甲状腺疾患などの基礎疾患、更年期障害、肩の使いすぎや怪我、姿勢の悪さ、運動不足、ストレスなども五十肩の発症リスクを高める要因として挙げられます。

1.1 五十肩の症状

五十肩の症状は、炎症の進行度合いによって大きく4つの段階に分けられます。

1.2 五十肩の正式名称

五十肩の正式名称は肩関節周囲炎です。肩関節周囲の筋肉や腱、靭帯、関節包などが炎症を起こし、痛みや運動制限を引き起こす疾患です。五十肩は俗称であり、医学的には肩関節周囲炎と診断されます。四十代で発症することもあれば、六十代で発症することもあるため、年齢に関係なく発症する可能性があります。

2. 五十肩になりやすい人の特徴

五十肩は誰にでも起こりうる症状ですが、特に以下の特徴に当てはまる方は注意が必要です。

2.1 40代～50代の人

2.1.1 五十肩になりやすい年代

五十肩は、その名の通り40代～50代に多く発症します。加齢とともに肩関節の組織が老化し、炎症や痛みを起こしやすくなるためです。60代以降の発症も珍しくはありません。

2.2 女性

2.2.1 なぜ女性は五十肩になりやすいのか

統計的に、五十肩は女性に多く発症する傾向があります。女性ホルモンの変動が肩関節の柔軟性に影響を与えることや、家事や育児などで肩関節への負担がかかりやすいことなどが原因として考えられています。特に更年期を迎える女性は注意が必要です。

2.3 糖尿病患者

糖尿病は、血液中の糖分が高い状態が続くことで、血管や神経にダメージを与えます。肩関節周辺の血行が悪くなったり、神経が障害されることで、五十肩を発症しやすくなると言われています。血糖値のコントロールが重要です。

2.4 甲状腺疾患の患者

甲状腺ホルモンは、体の代謝を調節する重要なホルモンです。甲状腺機能低下症の場合、代謝が低下することで肩関節周辺の組織の修復が遅れ、五十肩になりやすくなると考えられています。甲状腺ホルモンのバランスを整えることが大切です。

2.5 更年期障害の女性

更年期障害は、女性ホルモンの減少によって起こる様々な症状です。ホルモンバランスの乱れが自律神経に影響を与え、肩関節周辺の血行不良や筋肉の緊張を引き起こし、五十肩の症状を悪化させる可能性があります。更年期障害の症状がある場合は、医師に相談しましょう。

2.6 肩を酷使する人

2.6.1 具体的な職業例

野球選手やバレーボール選手などのスポーツ選手、美容師や画家、工場作業員など、特定の動作を繰り返す職業や、長時間肩を酷使する職業に従事している人は、肩関節に負担がかかりやすく、五十肩のリスクが高まります。仕事中の姿勢や休憩に気を配り、肩への負担を軽減することが重要です。

2.7 猫背の人

猫背の人は、肩甲骨が外側に広がり、肩関節が内側に巻き込まれた状態になりがちです。この姿勢は、肩関節周辺の筋肉や腱に負担をかけ、五十肩の原因となることがあります。正しい姿勢を意識することが大切です。

2.8 運動不足の人

運動不足は、肩関節周辺の筋肉を弱らせ、柔軟性を低下させます。そのため、肩関節が不安定になり、五十肩になりやすくなります。適度な運動で肩関節の柔軟性と筋力を維持することが重要です。

2.9 ストレスを溜めやすい人

ストレスは、自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張や血行不良を引き起こします。肩関節周辺の血行が悪くなると、炎症や痛みが発生しやすくなり、五十肩のリスクが高まります。ストレスを適切に解消する方法を見つけることが大切です。

3. 五十肩の原因

五十肩の痛みや動きの制限は、一体何が原因で引き起こされるのでしょうか。様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられていますが、主な原因を詳しく見ていきましょう。

3.1 加齢による肩関節の老化

年齢を重ねると、肩関節周りの組織も老化していきます。関節を構成する骨、軟骨、腱、靭帯、筋肉などの組織が変性し、柔軟性や弾力性が低下することで炎症を起こしやすくなります。特に、肩の動きに重要な役割を果たす腱板という組織が損傷しやすく、これが五十肩の痛みの原因となることが多いです。

3.2 肩の使いすぎ

野球やバレーボール、水泳などのスポーツ、あるいは重い荷物を運ぶ作業など、肩を繰り返し使う動作は、肩関節に負担をかけ、炎症を引き起こすリスクを高めます。特に、腕を肩より上に上げる動作を頻繁に行う人は注意が必要です。

3.3 肩の怪我

転倒や衝突などで肩を怪我した場合、その後遺症として五十肩を発症することがあります。骨折や脱臼だけでなく、打撲や捻挫などの比較的軽い怪我でも、適切な処置をせずに放置すると、五十肩の原因となる可能性があります。

3.4 運動不足

運動不足になると、肩関節周囲の筋肉が衰え、関節の安定性が低下します。また、血行不良も起こりやすくなり、肩関節の組織に栄養が行き渡りにくくなります。これらの要因が重なり、五十肩を発症しやすくなります。

3.5 姿勢の悪さ

猫背などの悪い姿勢は、肩甲骨の位置がずれて肩関節の動きを制限し、負担をかけます。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などで姿勢が悪くなりがちな方は、五十肩のリスクが高まる可能性があります。

3.6 血行不良

肩関節周囲の血行が悪くなると、組織への酸素や栄養の供給が不足し、老廃物が蓄積しやすくなります。冷え性や肩こりのある方は、血行不良によって五十肩を発症するリスクが高まる可能性があります。

3.7 その他の要因

上記以外にも、五十肩の発症には様々な要因が関わっていると考えられています。例えば、糖尿病や甲状腺疾患などの内分泌系の病気、更年期障害によるホルモンバランスの変化、精神的なストレスなども、五十肩のリスクを高める可能性があると言われています。以下の表にまとめました。

これらの要因が単独で、あるいは複数組み合わさって五十肩を引き起こすと考えられています。ご自身の生活習慣や既往歴などを振り返り、当てはまるものがないか確認してみましょう。

4. 五十肩の症状

五十肩の症状は、経過する時間とともに変化していきます。大きく分けて初期症状、急性期、慢性期、回復期の4つの段階に分けられます。

4.1 初期症状

初期症状では、肩の違和感や鈍痛、肩こりが悪化したような感覚があります。この時点ではまだ動きに大きな制限はなく、日常生活にも支障は少ないことが多いです。夜間や明け方に痛みが増すこともあります。

4.2 急性期

急性期に入ると、強い痛みが出現します。特に夜間痛が激しく、睡眠に影響が出ることもあります。腕を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になります。髪を洗ったり、服を着たりといった日常動作にも支障が出始めます。炎症が強いため、肩の周囲に熱感や腫れが見られることもあります。

4.3 慢性期

慢性期になると、強い痛みは徐々に軽減されます。しかし、肩関節の動きは制限されたままです。肩を動かすと鈍い痛みや違和感が残ることもあります。この期間は、肩関節が硬くなってしまい「凍結肩」と呼ばれる状態になることもあります。日常生活での支障は軽減されますが、肩の可動域制限により、以前のように自由に動かせない状態が続きます。

4.3.1 拘縮

慢性期になると、肩関節の動きが制限される拘縮という症状が現れることがあります。拘縮は、肩関節周囲の組織が硬くなってしまうことで起こります。腕を上げたり、回したりする動作が制限され、日常生活に支障をきたすこともあります。拘縮が進行すると、肩関節の動きが完全に制限されることもあります。

4.4 回復期

回復期に入ると、肩関節の可動域が徐々に回復していきます。痛みもほとんど消失し、日常生活もほぼ問題なく送れるようになります。ただし、完全に元の状態に戻るまでには、数ヶ月から数年かかることもあります。回復期においても、再発予防のために適切な運動やストレッチを継続することが重要です。

5. 五十肩の予防方法

五十肩は、放置すると日常生活に支障をきたすこともあるつらい症状です。しかし、適切な予防策を実践することで、発症リスクを低減したり、症状の悪化を防いだりすることが可能です。日頃から肩の健康を意識し、積極的に予防に取り組みましょう。

5.1 適度な運動

肩関節周囲の筋肉を強化し、柔軟性を保つことは、五十肩の予防に効果的です。適度な運動は、血行を促進し、肩関節の動きをスムーズにする効果も期待できます。ただし、過度な運動は逆効果となる場合があるので、ご自身の体力に合わせた無理のない範囲で行うことが大切です。

5.1.1 おすすめの運動

5.2 ストレッチ

肩周りの筋肉の柔軟性を高めることは、五十肩の予防に非常に重要です。ストレッチは、筋肉の緊張を和らげ、肩関節の可動域を広げる効果があります。毎日継続して行うことで、より効果を実感できるでしょう。痛みを感じない範囲で、ゆっくりと呼吸をしながら行うことがポイントです。

5.2.1 おすすめのストレッチ

5.3 姿勢の改善

猫背などの悪い姿勢は、肩関節に負担をかけ、五十肩のリスクを高めます。日頃から正しい姿勢を意識することで、肩への負担を軽減し、五十肩を予防することができます。デスクワークの際は、椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばすことを意識しましょう。

5.4 血行促進

血行不良は、肩関節周囲の筋肉や組織への酸素供給を阻害し、五十肩の原因となることがあります。血行を促進することで、肩関節の健康を維持し、五十肩を予防することができます。

5.4.1 入浴

温かいお風呂にゆっくりと浸かることで、全身の血行が促進されます。シャワーだけでなく、湯船に浸かる習慣を身につけましょう。38～40度くらいのぬるめのお湯に15～20分程度浸かるのがおすすめです。

5.4.2 マッサージ

肩周りの筋肉を優しくマッサージすることで、血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。入浴後など、体が温まっている時に行うのが効果的です。

5.5 バランスの良い食事

栄養バランスの取れた食事は、健康な体を維持するために不可欠です。特に、タンパク質、ビタミン、ミネラルは、筋肉や骨の健康に重要な役割を果たします。これらの栄養素を積極的に摂取することで、五十肩の予防に繋がります。

5.6 質の良い睡眠

睡眠不足は、体の回復力を低下させ、様々な疾患のリスクを高めます。質の良い睡眠を十分にとることで、体の疲労を回復し、免疫力を高め、五十肩の予防にも繋がります。規則正しい生活リズムを心がけ、毎日同じ時間に寝起きする習慣を身につけましょう。

6. 五十肩の治療法

五十肩の治療は、肩関節の痛みや動きの制限を軽減し、日常生活への支障をなくすことを目的として行います。基本的には保存療法が中心となりますが、症状が重い場合や保存療法で効果が見られない場合は、手術療法が検討されることもあります。

6.1 保存療法

保存療法は、手術を行わずに痛みや炎症を抑え、肩関節の動きを改善する方法です。主な方法には、薬物療法、リハビリテーション、注射などがあります。

6.1.1 薬物療法

痛みや炎症を抑えるために、消炎鎮痛剤や湿布などが使用されます。ロキソプロフェンナトリウムやインドメタシンなどの成分を含む薬が用いられることが多いです。内服薬だけでなく、外用薬として湿布や軟膏なども使用されます。

6.1.2 リハビリテーション

肩関節の動きを改善し、周囲の筋肉を強化するための運動療法を行います。理学療法士などの指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングを行うことで、肩関節の可動域を広げ、日常生活動作の改善を目指します。温熱療法や電気刺激療法などの物理療法を併用することもあります。

6.1.3 注射

肩関節周囲の炎症を抑えるために、ステロイド注射を行う場合があります。ヒアルロン酸注射を行うことで、肩関節の動きを滑らかにし、痛みを軽減することもあります。注射の効果には個人差があります。

6.2 手術療法

保存療法で効果が見られない場合や、肩関節の拘縮が強い場合などは、手術療法が検討されます。手術には、関節鏡手術や人工関節置換術などがあります。

五十肩の治療法は、症状の程度や患者の状態に合わせて選択されます。医師とよく相談し、最適な治療法を選択することが大切です。自己判断で治療を中断したり、市販薬を長期間使用することは避けてください。

7. 五十肩になった場合の対処法

五十肩の痛みや可動域制限に悩まされている方は、適切な対処法を知ることで症状の悪化を防ぎ、早期回復を目指せます。自己判断で無理なケアを行うと、かえって症状を悪化させる可能性がありますので、まずはご自身の症状を正しく理解し、適切な対処を心がけましょう。

7.1 安静にする

五十肩の痛みは、肩関節の炎症が原因です。炎症を抑えるためには、患部を安静にすることが重要です。重いものを持ったり、腕を無理に動かしたりすることは避け、痛みが強い時期は安静を第一に考えましょう。日常生活でも、患部を動かす動作を最小限にするよう意識してください。例えば、高いところに手を伸ばしたり、重いものを持ち上げたりする動作は控えましょう。衣服の着脱も、患部への負担が少ない方法で行うように工夫してください。

7.2 患部を冷やす

五十肩の痛みが強い時期、特に発症から数日以内は、患部を冷やすことで炎症を抑え、痛みを和らげることができます。保冷剤や氷嚢をタオルで包み、15～20分程度患部に当ててください。冷やしすぎると凍傷の恐れがありますので、時間を守って行いましょう。ただし、冷やすことで痛みが悪化する場合は、中止してください。

7.3 痛み止めを服用する

市販の鎮痛剤を服用することで、五十肩の痛みを一時的に緩和することができます。アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの成分が含まれた鎮痛剤が有効です。ただし、鎮痛剤は根本的な治療ではありません。痛みが強い場合や長引く場合は、自己判断で服用を続けるのではなく、医療機関を受診し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。持病がある方や、他の薬を服用している方は、医師や薬剤師に相談してから服用するようにしてください。

7.4 医師の診察を受ける

五十肩の症状は個人差が大きく、自然に治癒する場合もありますが、適切な治療を受けなければ慢性化してしまう可能性もあります。自己判断で対処を続けずに、医療機関を受診し、専門家の診断を受けることが大切です。五十肩の治療には、薬物療法、リハビリテーション、注射など様々な方法があります。医師は症状や状態に合わせて最適な治療法を提案してくれます。

五十肩は適切な対処と治療によって改善できる疾患です。早期に医療機関を受診し、専門家の指導のもとで治療を進めることが重要です。自己判断で無理なケアを行うことは避け、日常生活における注意点を守りながら、焦らずに治療に取り組むようにしましょう。

8. まとめ

今回は、五十肩になりやすい人の特徴、原因、症状、予防法、治療法、対処法について解説しました。五十肩は40代～50代の女性に多く発症し、特に更年期障害の女性や糖尿病、甲状腺疾患の患者さんは注意が必要です。デスクワークや工場作業など、肩を酷使する職業の方もリスクが高まります。また、猫背や運動不足、ストレスなども五十肩を招きやすい要因となります。

五十肩の原因は、加齢による肩関節の老化や肩の使いすぎ、怪我、運動不足、姿勢の悪さ、血行不良などが挙げられます。症状は時期によって異なり、初期は肩の違和感や鈍痛、急性期は激しい痛み、慢性期は痛みが軽減するものの肩の可動域制限が残り、回復期には徐々に可動域が改善していきます。

五十肩の予防には、適度な運動やストレッチ、姿勢の改善、血行促進、バランスの良い食事、質の良い睡眠が効果的です。五十肩になってしまった場合は、安静、冷却、痛み止めの服用を行い、速やかに医師の診察を受けましょう。適切な治療とセルフケアで、健康な肩を取り戻しましょう。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。