五十肩は、中高年になると多くの人が経験する肩の痛みですが、両肩に同時に発症することもあります。左右同時に肩が痛むと、日常生活にも大きな支障が出てきますよね。一体何が原因で両肩に五十肩が起こるのでしょうか? この記事では、五十肩の一般的な原因に加え、両肩に同時に発症する原因を、加齢、ホルモンバランス、生活習慣、遺伝、他の疾患との関連など、様々な側面から詳しく解説します。さらに、五十肩と間違えやすい病気についてもご紹介しますので、ご自身の症状が五十肩かどうかを判断する際の一助となるでしょう。また、五十肩の診断方法や、保存療法・手術療法といった治療法、そして効果的な予防法まで網羅的に解説しています。五十肩の痛みを和らげ、快適な日常生活を取り戻すために、ぜひこの記事を最後までお読みください。
1. 五十肩とは?
五十肩とは、正式には肩関節周囲炎と呼ばれる、肩関節の痛みや運動制限を引き起こす疾患です。40代から50代に多く発症することから、五十肩という俗称で広く知られています。肩関節周囲の筋肉や腱、靭帯などの組織が炎症を起こしたり、癒着したりすることで、肩の動きが悪くなり、強い痛みを伴うようになります。
1.1 五十肩の症状
五十肩の症状は大きく分けて、痛み、運動制限、そして夜間痛の3つに分類されます。痛みの程度や現れ方は個人差がありますが、安静時にも痛みを感じる場合や、腕を動かすと激痛が走る場合もあります。
運動制限については、腕を上げたり、後ろに回したり、外側に広げたりする動作が困難になります。日常生活では、服を着替えたり、髪を洗ったり、高いところの物を取ったりする動作に支障が出ることがあります。また、炎症が進行すると、関節が硬くなって動かなくなる拘縮という状態になることもあります。
夜間痛は、五十肩の特徴的な症状の一つです。夜になると痛みが強くなり、睡眠を妨げることもあります。特に、患部を下にして寝ると痛みが悪化しやすい傾向があります。
症状 | 詳細 |
---|---|
痛み | 安静時痛、運動時痛、夜間痛など。鋭い痛みから鈍い痛みまで様々です。 |
運動制限 | 腕を上げること、回すこと、外側に広げることなどが困難になります。 |
夜間痛 | 夜になると痛みが強くなり、睡眠を妨げることがあります。 |
炎症 | 肩関節周囲の組織に炎症が起こり、腫れや熱感を伴うこともあります。 |
拘縮 | 関節が硬くなり、動かなくなる状態です。進行すると日常生活に大きな支障が出ます。 |
1.2 五十肩の一般的な原因
五十肩の明確な原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、加齢に伴う肩関節周囲の組織の変性や、肩関節の使い過ぎ、外傷、不良姿勢、運動不足などが発症に関与していると考えられています。また、糖尿病や甲状腺疾患などの基礎疾患が、五十肩のリスクを高める場合もあるとされています。さらに、ストレスや冷えなども、症状を悪化させる要因として挙げられます。
加齢による肩関節周囲の組織の変性は、五十肩の最も大きな原因の一つです。年齢を重ねると、肩関節周囲の筋肉や腱、靭帯などの組織が老化し、柔軟性や弾力性が低下します。そのため、肩関節への負担が増加し、炎症や痛みが発生しやすくなります。特に、肩を動かす機会が少ない人や、同じ姿勢を長時間続ける人は、肩関節周囲の組織が硬くなりやすく、五十肩を発症するリスクが高まります。
肩関節の使い過ぎも、五十肩の原因の一つです。野球やテニス、バレーボールなどのスポーツや、重い物を持ち上げる作業などを頻繁に行う人は、肩関節に大きな負担がかかり、炎症を起こしやすくなります。また、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることも、肩関節への負担を増大させ、五十肩のリスクを高めます。このような場合は、適度な休憩やストレッチを行うことで、肩関節への負担を軽減することが重要です。
2. 両肩に五十肩が同時に発症する原因とは?
五十肩は、片側の肩に発症することが一般的ですが、両肩に同時に発症することもあります。なぜ両肩に同時に五十肩が起こるのか、その原因について詳しく見ていきましょう。
2.1 加齢による変化
五十肩は、その名の通り50歳前後で発症することが多いですが、40代や60代でも発症する可能性があります。加齢とともに肩関節周囲の組織が老化し、柔軟性や弾力性が低下することで、炎症や痛みが発生しやすくなります。両肩とも同じように老化が進むため、同時に五十肩を発症するリスクが高まります。
2.2 ホルモンバランスの乱れ
特に女性の場合、更年期を迎えると女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少します。エストロゲンには、骨や軟骨の代謝を維持する働きがあるため、その減少は肩関節周囲の組織の劣化を促進し、五十肩のリスクを高める可能性があります。閉経前後の女性で両肩に五十肩が発症するケースでは、ホルモンバランスの乱れが原因の一つとして考えられます。
2.3 生活習慣の影響
日常生活における特定の動作や姿勢、習慣が、両肩に負担をかけ、五十肩の発症リスクを高める可能性があります。例えば、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることや、猫背などの姿勢の悪さ、重いものを持ち上げる作業などが挙げられます。また、運動不足や過度な運動も、肩関節周囲の組織に負担をかけ、炎症を引き起こす可能性があります。喫煙も血行不良を引き起こし、五十肩の発症リスクを高める要因の一つと考えられています。
2.4 遺伝的要因
五十肩の発症には、遺伝的な要因も関与していると考えられています。家族に五十肩を経験した人がいる場合、自身も五十肩になりやすい可能性があります。これは、肩関節の形状や組織の特性などが遺伝的に受け継がれるためと考えられています。両親や兄弟姉妹など、近親者に五十肩の方がいる場合は、両肩に同時に発症するリスクも高まる可能性があります。
2.5 他の疾患との関連
糖尿病や甲状腺機能低下症などの内分泌系の疾患、あるいは、リウマチなどの自己免疫疾患は、五十肩の発症リスクを高めることが知られています。これらの疾患は、体全体の炎症を引き起こしたり、組織の修復機能を低下させたりするため、肩関節にも影響を及ぼし、両肩に同時に五十肩を発症する可能性を高めます。
2.6 五十肩になりやすい人の特徴
五十肩になりやすい人の特徴をまとめました。
特徴 | 詳細 |
---|---|
40代~60代 | 加齢とともに肩関節周囲の組織が変化しやすくなるため、この時期に発症する人が多いです。 |
女性 | 特に更年期を迎えた女性は、ホルモンバランスの変化により五十肩を発症しやすくなります。 |
デスクワーク | 長時間同じ姿勢を続けることで、肩関節に負担がかかりやすくなります。 |
猫背 | 姿勢が悪いと肩関節への負担が増加し、五十肩のリスクが高まります。 |
運動不足 | 肩関節周囲の筋肉が弱くなり、関節が不安定になりやすいため、五十肩のリスクが高まります。 |
過度な運動 | 肩関節に過剰な負担がかかり、炎症や損傷を引き起こす可能性があります。 |
喫煙習慣 | 血行不良により、肩関節周囲の組織への酸素供給が不足し、修復が遅れる可能性があります。 |
家族歴 | 遺伝的な要因も五十肩の発症に関与していると考えられています。 |
糖尿病などの疾患 | 特定の疾患は五十肩の発症リスクを高める可能性があります。 |
これらの要因が複合的に影響することで、両肩に同時に五十肩が発症する可能性が高まると考えられています。五十肩の症状や原因について理解を深め、適切な対策をとるようにしましょう。
3. 五十肩と間違えやすい病気
五十肩は他の病気と症状が似ていることがあり、自己判断で五十肩だと思い込んで放置してしまうと、適切な治療の開始が遅れてしまう可能性があります。肩の痛みや動かしにくさを感じた際は、自己判断せずに医療機関を受診し、正確な診断を受けることが重要です。五十肩と間違えやすい代表的な病気をいくつかご紹介します。
3.1 頸椎症
頸椎症は、加齢に伴う頸椎の変形や椎間板の劣化などが原因で、首や肩、腕などに痛みやしびれが生じる病気です。神経が圧迫されることで、五十肩と同じように肩の動きが悪くなることがあります。
3.1.1 頸椎症の特徴
- 首の痛み
- 肩や腕の痛みやしびれ
- 手のこわばり
- めまい
3.2 腱板断裂
腱板とは、肩関節を安定させる役割を持つ筋肉の腱が集まった部分です。腱板断裂は、この腱板が切れてしまうことで、肩の痛みや動かしにくさが生じる病気です。転倒や外傷がきっかけで起こることもありますが、加齢による腱の変性によって自然に断裂することもあります。五十肩と同様に、腕を上げるときに痛みを感じることがあります。
3.2.1 腱板断裂の特徴
- 肩の痛み(特に夜間)
- 腕を特定の方向に動かすと痛みが増す
- 腕の力が入りにくい
- 断裂音(損傷時)
3.3 胸郭出口症候群
胸郭出口症候群は、鎖骨と第一肋骨の間にある胸郭出口と呼ばれる狭い部分で、血管や神経が圧迫されることで、肩や腕、手に痛みやしびれ、冷感などが生じる病気です。五十肩と同様に、肩の動きが悪くなる場合があり、腕を上げる動作で症状が悪化することがあります。なで肩の女性に多くみられる傾向があります。
3.3.1 胸郭出口症候群の特徴
- 肩や腕、手の痛みやしびれ
- 手の冷感や蒼白
- 腕のだるさ
- 手の握力の低下
病気 | 主な症状 | 五十肩との違い |
---|---|---|
頸椎症 | 首、肩、腕の痛みやしびれ、手のこわばり、めまい | 首の痛みが主な症状であること、神経症状を伴うこと |
腱板断裂 | 肩の痛み(特に夜間)、特定の動作での痛み、腕の力が入りにくい | 特定の動作で痛みが増すこと、力が入りにくいこと、外傷がきっかけとなる場合があること |
胸郭出口症候群 | 肩、腕、手の痛みやしびれ、冷感、蒼白、腕のだるさ、握力の低下 | 手の症状を伴うこと、なで肩の女性に多いこと |
これらの病気以外にも、肩関節周囲炎や石灰沈着性腱板炎、リウマチなどの病気が五十肩と似た症状を引き起こすことがあります。肩の痛みや動かしにくさを感じたら、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
4. 五十肩の診断方法
五十肩の診断は、主に問診、視診、触診、そして画像検査によって行われます。確定診断のための特別な検査はなく、他の疾患の可能性を排除しながら、症状や診察所見から総合的に判断します。
4.1 問診
問診では、痛みの出現時期、痛みの程度、痛みの部位、日常生活での支障の程度、既往歴などを詳しく聞きます。特に、夜間痛の有無や、髪をとかしたり、服を着脱したりする動作で痛みが増強するかどうかは重要なポイントです。
4.2 視診・触診
視診では、肩の関節の腫れや変形、姿勢などを確認します。触診では、肩関節周囲の筋肉や腱の緊張、圧痛の有無などを調べます。肩関節の可動域を検査することで、五十肩の特徴的な運動制限の有無を確認します。具体的には、腕を前方や側方に挙げる動作、腕を後ろに回す動作、腕を体の反対側に持っていく動作などを行います。
4.3 画像検査
画像検査は、五十肩自体を診断するためではなく、他の疾患との鑑別のために実施されます。レントゲン検査では、骨棘の有無や、関節の変形などを確認できます。MRI検査では、腱板断裂や炎症などの軟部組織の状態を詳細に評価できます。これらの検査によって、五十肩と似た症状を引き起こす他の病気を除外することができます。
検査方法 | 目的 | 内容 |
---|---|---|
レントゲン検査 | 骨の状態確認、他の疾患との鑑別 | 肩関節の骨の状態、骨棘の有無、関節リウマチなどの変化を確認 |
MRI検査 | 軟部組織の状態確認、他の疾患との鑑別 | 腱板断裂、炎症、腫瘍などの有無を確認 |
超音波検査 | 軟部組織の状態確認、他の疾患との鑑別 | 腱板断裂、炎症、石灰沈着性腱板炎などの有無を確認 |
五十肩の診断は、これらの情報を総合的に判断して行います。自己判断はせず、専門家に相談することが大切です。
5. 五十肩の治療法
五十肩の治療は、痛みや炎症を抑え、肩関節の動きを改善することを目的として行います。基本的には保存療法が中心となりますが、症状が重い場合や保存療法で効果が見られない場合は、手術療法が検討されることもあります。
5.1 保存療法
保存療法には、薬物療法、リハビリテーション、注射などがあります。
5.1.1 薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や消炎鎮痛剤などの内服薬が用いられます。また、湿布などの外用薬も効果的です。痛みが強い場合には、神経ブロック注射を行うこともあります。
5.1.2 リハビリテーション
肩関節の動きを改善するために、理学療法士による指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングなどの運動療法を行います。温熱療法や電気療法などの物理療法を併用することもあります。
種類 | 内容 | 効果 |
---|---|---|
ストレッチ | 肩関節周囲の筋肉や腱を伸ばす運動 | 関節の柔軟性を高める、痛みの軽減 |
筋力トレーニング | 肩関節周囲の筋肉を強化する運動 | 関節の安定性を高める、再発予防 |
温熱療法 | 温罨法やホットパックなど | 血行促進、筋肉の緩和 |
電気療法 | 低周波治療器など | 鎮痛効果 |
5.1.3 注射
痛みが強い場合や、リハビリテーションの効果が不十分な場合には、肩関節内への注射を行うことがあります。ヒアルロン酸注射は、関節の動きを滑らかにする効果があり、ステロイド注射は、炎症を抑える効果があります。
5.2 手術療法
保存療法で効果が見られない場合や、肩関節の拘縮が強い場合には、手術療法が検討されます。手術には、関節鏡手術や人工肩関節置換術などがあります。関節鏡手術は、小さな切開で関節内の癒着を剥離する手術で、人工肩関節置換術は、損傷した肩関節を人工関節に置き換える手術です。手術療法は、最終手段として考えられます。
五十肩の治療法は、症状の程度や進行状況、個々の状態に合わせて選択されます。早期に適切な治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。気になる症状がある場合は、早めに専門家へ相談しましょう。
6. 五十肩の予防法
五十肩は、一度発症すると日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。しかし、適切な対策を講じることで、発症リスクを低減したり、症状の悪化を防いだりすることが期待できます。五十肩の予防には、日々の生活習慣の見直しや、肩周辺の筋肉を強化するエクササイズなどが有効です。
6.1 日常生活での注意点
日常生活の中で、下記のような点に注意することで五十肩の予防につながります。
- 正しい姿勢を保つ:猫背や前かがみの姿勢は肩周辺の筋肉に負担をかけ、五十肩のリスクを高めます。常に背筋を伸ばし、良い姿勢を意識しましょう。
- 適切な睡眠:睡眠不足は身体の回復力を低下させ、五十肩の発症リスクを高める可能性があります。質の高い睡眠を十分に確保しましょう。
- 身体を冷やさない:冷えは血行不良を招き、肩の痛みを悪化させる可能性があります。特に冬場は、肩や首を冷やさないように注意しましょう。マフラーやストールなどを活用し、保温に努めましょう。
- 適度な運動:運動不足は筋肉の衰えにつながり、五十肩のリスクを高めます。ウォーキングや水泳など、無理のない範囲で適度な運動を継続しましょう。
6.2 肩周辺の筋肉を鍛えるエクササイズ
肩周辺の筋肉を強化することで、五十肩の予防、また既に発症している場合は症状の緩和に繋がることが期待できます。下記のエクササイズを無理のない範囲で行いましょう。痛みがある場合は、直ちに中止してください。
エクササイズ名 | 方法 | 回数 | 注意点 |
---|---|---|---|
肩甲骨回し | 両腕を肩の高さまで上げて、肘を曲げます。肩甲骨を意識しながら、腕を大きく前後に回します。 | 前後10回ずつ | 肩に痛みを感じない範囲で行いましょう。 |
腕の振り子運動 | 身体を前かがみにし、リラックスした状態で腕をぶら下げます。腕を前後に、そして左右に振り子のように動かします。 | 各方向10回ずつ | 無理に腕を大きく振らず、自然な範囲で動かすようにしましょう。 |
タオルを使ったストレッチ | タオルの両端を持ち、背中に回し、上下に動かします。 | 10回 | 痛みを感じない範囲で、徐々に動かす範囲を広げていきましょう。 |
これらのエクササイズは、五十肩の予防に効果的と考えられていますが、すべての人に有効とは限りません。また、症状によっては悪化させる可能性もあります。ご自身の身体の状態に合わせて、無理のない範囲で行うようにしてください。少しでも違和感を感じたら、すぐに中止し、専門家にご相談ください。
6.3 栄養バランスの取れた食事
バランスの良い食事を摂ることは、健康な身体を維持するために不可欠であり、五十肩の予防にも繋がります。特に、筋肉や骨の形成に重要なタンパク質、カルシウム、ビタミンDなどを積極的に摂取するように心がけましょう。また、抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eなども、肩の炎症を抑える効果が期待できるため、積極的に摂取しましょう。
7. 五十肩の両肩発症に関するよくある質問
五十肩は、片側の肩に発症することが多いですが、両肩に同時に発症することもあります。両肩の五十肩に関する疑問について、詳しく解説します。
7.1 両肩の五十肩は同時に治る?
両肩の五十肩が同時に治るかどうかは、個人差が大きく、一概には言えません。多くの場合、左右の肩で症状の進行度や痛みの程度が異なるため、治る時期もずれることが多いです。片方の肩の痛みが落ち着いてきた頃に、もう片方の肩で痛みが強くなるといったケースも珍しくありません。ただし、適切な治療やリハビリテーションを行うことで、両肩の症状を改善し、日常生活への支障を軽減することは可能です。
重要なのは、自己判断で治療を中断せず、専門家の指示に従って継続的に治療を行うことです。焦らず、両肩の状態に合わせた治療計画を立てることが大切です。
7.2 五十肩で両肩が痛む場合、日常生活で注意することは?
五十肩で両肩が痛む場合、日常生活で様々な動作が制限され、不便を感じる場面が増えます。痛みを悪化させない、また、日常生活をスムーズに送るために、以下の点に注意しましょう。
注意点 | 具体的な内容 |
---|---|
無理な動作を避ける | 痛みが出る動作を無理に行わないようにしましょう。特に、腕を上げる、後ろに回す、重いものを持ち上げるといった動作は、五十肩の症状を悪化させる可能性があります。洗濯物を干す、高い場所の物を取る、重い荷物を持つといった動作は、できる限り避け、家族に手伝ってもらうなど工夫しましょう。 |
適切な姿勢を保つ | 猫背や前かがみの姿勢は、肩への負担を増大させ、五十肩の痛みを悪化させる可能性があります。常に背筋を伸ばし、良い姿勢を意識することで、肩への負担を軽減し、痛みの悪化を防ぎましょう。 デスクワークやパソコン作業を行う際は、椅子の高さやモニターの位置を調整し、正しい姿勢を保つように心がけましょう。 |
保温を心がける | 冷えは、血行不良を引き起こし、五十肩の痛みを悪化させる可能性があります。特に冬場は、肩を冷やさないように、マフラーやストールなどで保温を心がけましょう。また、入浴はシャワーだけでなく、湯船に浸かって体を温めるようにしましょう。 |
適切な睡眠をとる | 睡眠不足は、体の回復力を低下させ、五十肩の痛みを長引かせる可能性があります。十分な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠をとるように心がけましょう。 痛みで寝にくい場合は、抱き枕を使用したり、寝る姿勢を工夫したりするのも有効です。 |
バランスの取れた食事を摂る | 栄養バランスの取れた食事は、体の健康維持に不可欠です。特に、タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取することで、体の回復力を高め、五十肩の改善をサポートします。 |
これらの点に注意することで、日常生活における痛みや不便さを軽減し、五十肩の改善を促進することに繋がります。少しでも気になる症状があれば、早めに専門家に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。
8. まとめ
五十肩は、中高年に多く発症する肩関節周囲炎です。肩の痛みや動きの制限といった症状が現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。一般的には片側の肩に発症しますが、両肩に同時に発症することもあります。両肩発症の原因としては、加齢による変化やホルモンバランスの乱れ、生活習慣、遺伝的要因、他の疾患などが考えられます。また、五十肩になりやすい人の特徴として、デスクワークや家事などで長時間同じ姿勢を続ける人、猫背気味の人などが挙げられます。
五十肩は頸椎症や腱板断裂、胸郭出口症候群といった他の疾患と症状が似ている場合があるので、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断を受けることが重要です。五十肩の治療法には、薬物療法、リハビリテーション、注射などの保存療法と、手術療法があります。症状や進行度に合わせて適切な治療法を選択することが大切です。
五十肩の予防には、適度な運動やストレッチ、正しい姿勢を保つことなどが有効です。五十肩は自然治癒することもありますが、早期に適切な治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

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